消えたことありますか?
十数年以上も前のことですが、丸一日…消えてみたことがあります。子供、家庭、仕事、全部置いて、「丸一日は電話にも出ない」と宣言して、一人でホテルに一泊しました。家出したわけでもなく、キッカケは…
あなた死ぬわよ!
と言われたのですね。日本から来た有名な占い師という方に!
今、思えば初対面の人に「死ぬわよ!」と言うのは考えものですが、そのときの私の場合はとてもいい方向に転んだので「ありがたかった」と思っています。その方の「死ぬわよ!」のという言葉の前には「今、休まないと(気づかないと)」という大事な言葉がありました。「今からすぐ、どこかに行って、一人で休息しなさい。一日だけでもいいから!」と。
その方には、占いをお願いしていたわけではなく、友人に「紹介したい人がいるから」と誘われてランチをご一緒したのでした。
自分を大切にしていない、自己の声すら聞こうとしていない、だから生命のロウソクが消えかかって見える!
その頃の私は、自分がいないと家族が生きていけなくなると
キッパリ思っていました。家族の問題で精神的にとても参っていながらも、小学生1人と赤ちゃん1人を抱えていましたから、私ががんばると必死だったのですね。仕事量も相当なものでしたし、家事、子育てはもちろん、家族の問題解決も自分に課せられた試練だなんで思っていましたから、何もかも全部一人で完璧にしようとしていたのです。私は人前で元気に繕うのが天才的に上手かったのですが、その女性にはズバリと見破られたようでした。
原稿の締め切り、子供の送り迎え、赤ちゃんの世話…丸一日いなくなるなんて絶対不可能!とは思いましたが…たとえばもしホントに死んじゃったら、丸一日どころか、ずーっと原稿の締め切りもあったものじゃないし、子供の送り迎えも、赤ちゃんの世話もできないわけです。
じゃ、
消えてみよう!
当時の私には相当の勇気が要りましたが実行あるのみ。
食欲は見事に失ったのでランチを早々に切り上げ、帰宅中に車を運転しながら、数日前にたまたま取材で行ったばかりの高級リゾートに連絡してみると、超破格値で部屋を取ってもらうことができました。何しろ、自分のためにホテルに泊まるお金を捻出すること自体、 “ありえない”ことだった時期です。家に戻って、家族に「一日消えますから!あとはよろしく!」と告げ、気が変わらないうちに、身の回りのものだけ持って飛び出しました。
ホテルでは、スパに行ったのと、夕陽を眺めにビーチに行った以外は部屋で死んだように(ように!)寝て、食事もルームサービスで過ごしました。そして、私が1日消えても…
地球は動いていました
すべてが自分の肩に覆いかぶさっているよう感じそうになったとき、地球を一人で背負っているような勘違いをしそうなときには、消えた一日のことを思い出します。
「自分はとても大切な唯一無二の存在であると同時に、小さくて儚くて、完璧にできないこともあっていい。人間なんだもの!」「儚いから強い、小さいから壮大」「自分以外の人もまったく同じ存在」という晴らしい事実を次々と思い出させてくれた日のことを。
消えた瞬間に、ずっと在り続けていることに気づく…
そんなもんですね


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